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異彩ノ雫

第239章  九ノ月 Ⅲ ②




一度袖を通したきりの
麻の浴衣に頬を寄せれば
浮かびくる
抱き締められた腕の中
肩越しに見上げた夜空の華

切ないまでの美しさは
わけもなく恐ろしく
あなたの胸に顔を伏せた


過ぎた季節に残る想い…

今 涼風が
胸奥の熾火を燃え立たせる







【涼風】


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