ただあなただけを見つめる
第16章 花火
そして左手にひんやりとした何かが触れた。
「え……?」
左手を見ると、花火よりもキラキラと輝くシルバーの指輪が薬指にはまっていた。
「暁…?」
「今日のメインイベント?なんて。ほら、ペアだよ!」
暁はニカッと笑って自分の薬指にはまっている指輪をちらつかせた。
「…ロマンチストだね。」
「プロポーズくらいロマンチックにしなきゃ!と。
とびっきりクサイ台詞考えてたんだけどな。
緊張して忘れちゃった。
返事はイエスかハイかオッケーしか認めない。」
「プッ(笑)強制じゃん。
……ありがとう。」
チュッと暁の頬にキスをした。
…私なりの返事。