テキストサイズ

Liar Game 〜1×5〜

第8章 もうひとつの顔



松潤はさ、昔からカッコいいって周りから騒がれて。


年下だけど顔立ちもいいし優しいし、スポーツも料理も上手くて本当完璧な奴。


『付き合いたい男性芸能人』1位に選ばれたこともあるくらいだもんね。


でもさ、松潤優しすぎるんだよね。


俺がちょっとヘコんだ時だって、すぐ横に来て慰めてくれる。


松潤と横に並んで歩くことが多いんだけど…知ってる?


俺って松潤を引き立てる役だって言われてるんだよ?


松潤をより良く見せる為に、わざと俺とペアにさせてるって…裏で聞いた時はマジでショックだった。


そりゃあ俺は松潤と違って全然カッコよくないよ?


だからってさ、聞こえる声で引き立て役って言わなくてもいいじゃん!


それを聞いてから松潤とペアになるのが嫌になった。


そんなつもりないと思うけど、松潤自身も俺のこと利用しているように見えて仕方がない。


だから松潤の横にいるだけでストレスが溜まる……


そして大ちゃん。


大ちゃんは物静かで、一見地味に見えるけどアーティスト性が優れている。


歌やダンスは抜群に上手いし、絵やオブジェの才能はピカイチ。


そしてあのふにゃあ〜っとした雰囲気。


グループにはいない存在だから、周りから絶大な指示を得ている。


そして結局俺と比較されるんだよね。


歌とダンスが完璧な大ちゃんに対して俺は批判の嵐を食らっていた。


振り付け師に『ダンスもできないの?』ってメンバーの前で言われた時はマジで傷ついた。


その時メンバーは俺のことフォローしてくれたけど、逆に惨めに感じるだけだった。


大ちゃんはよく、俺の為に一緒に残ってダンスを見てくれていたっけ。


ありがたかったけど…やっぱり俺ってお荷物って思っちゃう。


4人と何かと比較されてきた俺…


結局俺は4人を引き立てる役だったってことだね。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ