Liar Game 〜1×5〜
第3章 出逢い、そして再会
聖輝「あっあの…!!」
松本「大丈夫?立てる?」
聖輝「えっ?あっはっはい…」
ギュッ
僕は松本さんの手を握って立ち上がった。
松本「ごめんね、俺よそ見してたから…」
松本さんは僕のズボンについた砂をはたきながら謝っている。
聖輝「あっいや…ごっごめんなさい!!僕の方こそ走ってぶつかっちゃって…」
松本「いいよいいよ、道の真ん中歩いてた俺も悪いから。」
聖輝「あっいや…そっそんな……」
松本「あっ急いでるんだっけ?ごめんね、時間取らせて、じゃあね。」
聖輝「あっ……」
そういうと、松本さんは行ってしまった。
聖輝「……。」
僕はしばらくその場から動けなかった。
松本さんの姿が完全消えるまで…ずっと背中を見ていた。
東京の、人混みの多い場所で…まさか松本さんと会うとは思わなかった。
しかもあの対応……芸能人いや、人としてまさに神だった。
芸能人ってテレビでは良く写っていても裏ではどんな顔しているか分からない。
性格が悪い人が多いって聞いたことあるから…正直いい印象は持っていなかった。
でも…あの人は…松本さんは違った。
僕からぶつかってきたにも関わらず、怒るどころか僕に優しく接してくれた。
あの優しい顔…声…そして大きくて温かかった手……
僕は一生忘れられない思い出になった。
地元に帰ってきた時、僕は毎日思い出していた。
松本さんと会った時のこと。
あの優しい顔に言葉、あの手の温もり。
会いたい……
松本さんともう一度会いたい……