Liar Game 〜1×5〜
第2章 きっかけ
〜櫻井side〜
最近、仕事が多忙のせいでろくに家事をすることができない。
料理はもちろん、洗濯物は溜まってるし掃除もできていない。
こんな私生活をファンが見たら間違いなく幻滅するだろう。
でも、仕事が忙しくて家事ができないのは仕方がない。
俺はアイドルとは別にキャスターもやってるから、現場へ向かうこともあれば、部屋にこもって大量の資料とにらめっこすることもある。
そんな俺に、家事をやれって?
できるわけがない。
仕事を犠牲にしてまで家事をしようとは思わない。
たまに今まで付き合ってきた彼女達が家に来て家事をしてくれたこともあったけど…
正直俺は嬉しくなかった。
料理は美味しかったけど…何か嫌だった。
仕事をする為の部屋、要するに仕事部屋に入って勝手に資料を整理整頓されていた時はさすがに怒鳴った。
どこにあるか分かるように置いてるのに、勝手に触られるのは嫌だった。
だから俺の部屋はゴミ屋敷…いや、資料屋敷になっていた。
でも、俺はその資料屋敷が居心地いい。
俺の仕事部屋だけは誰にも触れられたくないし、邪魔もされたくない。
それなら一層このままの生活を送ってもいいと思っていた。
そんな時だった。