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大切な人へ

第13章 誕生日



ー先生sideー



車に向かって歩いていたら
彼女が部屋から出てきているところだった


彼女のその姿に思わず見とれてしまった…


白いワンピースとウェーブのかかった髪を揺らし
満面の笑みで手を振っていた

思わず口元が緩む…



その日の彼女はずっと嬉しそうで 楽しそうで

本当の彼女といる様な錯覚に何度も落ちた





本当に俺は彼女の事が好きだ

いつの間にこんなに好きになっていたんだろう…



だからこそ不意に現実に戻ると苦しい

彼女の気持ちも知っていてこんな事をしていて
いい筈がないのに…



俺は自制心が弱いらしい…





夕食の後も 隣で笑う彼女が可愛いくて仕方ない



この前からずっと頭に引っ掛かっていた事が

口から溢れてしまう…



何が欲しいって聞いた時の彼女の視線

一瞬唇を見て赤くなった表情



欲求が疼くのを理性が抑える



言って欲しい… そしたら…



『キス…してほしい』



俺は自分に負けたんだ

でも彼女を思う気持ちに嘘はない



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