
大切な人へ
第16章 優しい愛情
朝がきて
顔の腫れも目立たなくなっていて
新品の制服を着る サイズも同じだった
でも…どうしても行けない
教室が怖い 外が怖い
みんな本当に知らないのかな…
学校に電話してもう1日休みたいと言ったら
担任が出て何も聞かずすぐに了承してくれた
このことは先生はみんな知ってるよね…
今日は金曜日 来週の月曜日は終業式
最後の授業だったのにな…
私は部屋で時間割通りに1人で勉強した
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5時を過ぎるとまたチャイムがなる
『先生…
来てくれるのは嬉しいけど無理しないで
2日前から私にかかりきりで疲れてるでしょ?』
「全然?俺体力あるから‼」
明るく笑って言ってくれるけど…
『だってまだ5時過ぎだよ?
今までもっと遅かった!仕事… 』
「大丈夫だから!そんな事気にしないで」
『先生だから気にするの…無理しないで』
近い距離で目が合ってしまった…
彼の顔がまともに見れず離れる
「美優…こっちおいで」
そっと抱きしめられる 体を気遣う先生の腕
先生はこの前から名前で私を呼ぶようになった…
もう湿布の外れた頬に手をあてる
「顔もう良くなったね」
先生の顔が近づいて…
だめ‼
とっさに横を向いて避けた
初めて彼からしてくれようとしたのに…
『きたないから…私』
先生に触れられる資格なんてないよ…
どれだけ洗ったって汚い…
「美優は綺麗だよ…」
大丈夫って包み込んでくれる
『自分が気持ち悪い…
先生にこんな体…
先生以外に見せたくなかったのに…』
涙って…どれくらい出るんだろ…
枯れない涙で目が痛い…
