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大切な人へ

第29章 何があったの?


上田くんは続けた...

向こうに行こうとしてるかはわからない
少し前に様子がおかしかった時に男の香水の匂いがして
聞いてみたら本人がそう言った

それ以降その話しをしていなくてギクシャクしてる...


『...別れないよね?』
「...わかんない」

上田くんの悲しそうな声に泣きそうだった

『明日紗羅と話すからちょっと待って?
紗羅は上田くんのこと大好きだと思うから‼』

「ありがとう...藍野さん。怒ってるかと思った」

『もういいから。じゃぁまた連絡するからね!』

「...うん。ありがとう」


小さな声でそう言って電話を切った

この前まで仲良かったじゃない...どうしたの?
ちゃんと相談乗れるかな...紗羅は大丈夫かな...


朝になって紗羅にメールした
お昼休みに相談乗ってほしいことがあるんだって


「珍しいね?美優が頼ってくれるなんて!嬉しい!」

可愛い笑顔でそう言われるとちょっと申し訳ない...

『あのね...ごめん!逆なの... 最近なんかあった?』


え?って目を大きくしたあと 俯いてしまった
ふわっと香る香水の匂いに私も気が付いた...

「この香水...上田くんのじゃないよね?
何があったの?頼りないけど紗羅が心配なの」

『これ...自分で買ったの
上田くんに嫉妬してほしくて...うそついちゃった...』

...どういう事?


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