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大切な人へ

第43章 ありがとう


私が先に会いに行ったのは先生だった

急だったから少し驚いていたけど

手紙を渡して言った


『先生‼本当にありがとうございました‼

さようなら...先生__』


彼は切ない笑顔で...


「こちらこそ...ありがとう

藍野さんのことずっと応援してる。頑張って...」


私は涙をこらえて笑って...深く頭を下げた








~先生へ~

あなたと出会って 晄人さんと呼べた時間

私は幸せでした

私はあなたを幸せにしたかった

あなたの笑顔が あなたの全てが 大好きだった

一緒に幸せに...あなたとなりたかった


そばにいられるなら私は何もいらないって言った

大好きなあなたのそばにいたかったから

でもあなたはそんなことを望んだんじゃないのにね


最後まで先生が手袋をしてるところ見れなかったけど

付けてくれたことはありましたか?

大事だから箱に入れたままだって言ってましたね

でも私はね?

ボロボロになるまで使って欲しかったんだ

いつも私を温めて支えてくれた手を私も温めたかったの


そういうとこだよね... 私たちが一緒にいられないのは



あなたに与えてもらったものはとても数えられなくて

でも思い出していくと嬉しくて...感謝して...また好きで


忘れる努力をしても 私の中にはずっとあなたがいる


だから過去にできないこの気持ちを違う形に変えて

私はこれから生きていこうと思います


好きだったことは諦められても

大切な思い出は忘れたくないんです


ありがとう晄人さん

私もあなたには笑っていてほしいから...

幸せになってね


あなたはずっと私にとって大切な人です


美優



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