
大切な人へ
第1章 はじまり
「1年の時からずっと好きだった…
俺と…付き合って下さい!」
名前も知らない彼は
少し緊張している顔と声で
真剣に告白をしてくれた…
そんな彼をぼんやり見つめて視線を落とす
『____ごめんなさい』
声が震える…
絞り出した言葉はたったこれだけ
「___そっか…」
小さくて 寂しそうな声
ギュっと胸が 苦しくなる
『ごめんなさい…ごめんね…』
「えっ⁉ えっ? どして?」
私は涙を流していた…
またやってしまった…
焦る彼に 違う意味でまた謝って
その場を去る
悲しいのは相手の方なのに
あんな風に泣いたら困らせるだけなのに
私は2年生の初日から女子トイレで泣いた
