
大切な人へ
第11章 2学期の始まり
じゃそろそろ帰ると
立ち上がる彼のジャージを掴む
『ちょっと聞きたいことが』
きょとんとした顔の彼に続ける
『試験が終わった次の日...
廊下で先生見かけました。
女の子に腕組まれてて...
何か話したあと
抱きつかれてるの見ちゃった』
明らかに女の子から飛びついていて
先生は離してと嫌がってた
でもすごく嫌だったし気になった
「あぁ...あれね」
先生は苦笑いでこちらを向いた
「課題の提出がまだで早くしろって
言ったら、もうちょっと待ってって。
あと3日以内に出したら
担任には言わないでやるって言った。
そしたら抱きつかれただけですよ」
そうなんだ...
でもくっつきすぎ!
「やきもち?」
『...やいてます』
クスッと笑って、先生が近づく
...‼
「機嫌直して?」
そう言って軽く抱き寄せて
頭をポンポンしてくれた
「じゃおやすみ」
そう言って帰って行った
先生はお風呂上がりのいい匂いがした
その後しばらく放心状態に落ちる
寝られるわけないじゃない!
