
大切な人へ
第12章 文化祭
次の日クラスの掲示板に
昨日みんなで写した写真が
引き伸ばされて貼られていた
みんな笑顔でいい顔してるな
『おはよ!あれ上田くん?』
「うん。いい写真でしょ?」
そう言って封筒をくれた
中にはその写真が入ってる
『え⁉みんなの焼いてくれたの?』
家でやったから気にしないでと
女子力を発揮してる
『こんな優しい彼氏で
紗羅が羨ましいよ~!!』
いやいやと言いながら照れてる
「井川も優しいでしょ?」
『…うん。優しいね』
やっぱり口は悪いけど
井川くんはすごく優しい人
そんなことを考えてると
「藍野さんには特別そうだよ」
…そっか
上田くんは花火の時のこと
知ってるんだよね
そう思うと急に恥ずかしくなった
上田くんも井川くんも
私の大切な友達
だから2人とも優しいんだよね?
そう思いたいな…
