
飴と鞭と甘いワナ
第7章 episode 2
「ありがとうございました」
ほんのり顔を赤くしたライターが上目遣いでにのを見た
「どうも」
にっこりと、アイドルスマイルで送り出すにのは
俺の目の前でも
「雨みたいだから、気を付けてね」
なんて彼女の肩を軽く叩いて見せるから
表面こそ笑顔を貼り付けてるけど、心はイライラが募っていく
やがて彼女がドアを出て、この空間に誰もいなくなった瞬間
「ちょ…っ」
俺はにのを引き寄せて、逃がさないように両手で頬を挟み込んでから
いきなり深く、唇を奪ってやった
“慈しむ“ なんて感情はない
ただ、にのを奪いたくて
離したくなくて
昂った気持ちのまま、咥内を犯していく
「んぅ…っ」
きつく目を瞑ったにのが、苦しそうな顔をするけど
そんなのは知らない
「鼻で息してろよ」
…吐き捨てるようにちょっとだけ唇を離して囁いて、またすぐににのの舌に自分のそれを絡めていった
頬に置いた指を少しずらして、耳の後ろを辿れば
びくびくとにのの体が震えてくる
かろうじて立っている膝は、俺の支えがなければ崩れ落ちるだろう
