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第1章 【cast1】ミク
「ほら、飲みなよデブ」
ドリンクのおかわりを作ってそう言うと
「童顔ーっ!!」
と、よくわからない悪口を返してくる。
真央。
俺と同い年の21歳。
「ごちそうさま、気をつけて帰んなよデブ」
「お前もなー」
お互いに交わす軽口。
人見知りでシャイだった真央が、俺には気を許したように憎らしい軽口を叩く。
俺にはそれが少しくすぐったいような、でもすごく心地良い時間だった。
だけど真央の担当は俺じゃない。
「ごちそうさまでしたー!」
帰り際、ドア付近にいる内勤や他のキャストにお行儀よく挨拶をする真央。
最後に俺を見て
「じゃなー♪」
と手を振った。
(…可愛いやつ)
この気持ちは誰にも秘密。
