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Cream Puff

第4章 4

~櫻葉 単純。~

「わーかーんーなーいーっ!!」

二学期の中間テストが始まる。

「翔ちゃん、俺、公民全然ダメだぁ…」

教科書をめくりながら重要用語にマーカーを引いていく。

「で?」

「教えて下さい…!」

もともと社会全般が苦手な俺。

その中でも公民だけが赤点並みで…

「うっわ…」

一学期のテスト用紙を片手に、額に皺を作る翔ちゃん。

「これ、ひどいね…」

「でしょ!?だから教えてよお…」

「…はいはい、」

翔ちゃんはいつだって優しい。

幼馴染みなのに、どうしてこうも違うんだろう…

俺はバスケやってて、翔ちゃんはサッカーだから?

俺と違って信頼されてるから?

ほとんど同じ環境で育ったつもりだ。

「ほら、早くやるよ。」

「うっ…うん、」

嫌だ。ものすごく嫌だ。

「ほら、あからさまに嫌だって顔しないの。つーか、できねえくせになんでこの学科来たんだよ…」

「翔ちゃんと、いたくて。」

即答した。

ウソなんかじゃないよ。

翔ちゃんといたくて――…

「へえ…そう」

「うん!」

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