魔王の恋愛事情
第3章 方言男子③
「母さん、着物…取ってきたよ?」
俺は、手にしていた着物を母さんに渡す―――――…
「オーウ!ありがとう!今度の個展に間に合った〜♪」
母さんは、着物を見てスキップしている――――…
「個展の準備順調なの?大丈夫?大変だね…“書道家”も…」
そう―――――…俺の母さんは…
アメリカと日本のハーフだが…書の世界に魅せられ…
書道家になった…変わり者だ…
今回は…東北の復興と願いを込めた個展を開きたいと…オファーがあり…
こっちに来た…
母さんだけ来ればいい話しなのだが…
丁度…父さんもこっちで仕事の依頼があったらしく…
夫婦で家を空けるくらいなら…
って事で…
俺も一緒に連れてこられた…
ちなみに…父さんは…
仏像に魅せられ仏像修復師になった…ロシア人です…
父さんも…相当変わり者…