
虞犯少年
第17章 蜘蛛の絲
「嵐……私を抱いて」
もう、どうでもいい。どうだっていい。
自分が、他人がどうなったって傷つくことに変わりないのなら。
人の温かさが欲しかった。
自分の存在価値が欲しかった。
誰かに強く抱きしめてもらいたい…
「明日香…愛してる」
目の前の人物は私にそれを与えてくれる。
例え、そこに愛がなかったとしても人肌は気持ちがいい。嵐は嬉しそうに笑い肌に舌を這わせた。夢中に私たちは抱き合い、求め、果てる。
人間は利用しあう生き物なのかもしれない。
蜘蛛の絲
(ハマったのは誰?)
