おにごっこ学園
第20章 杉多壱岐パート last
はぁ…はぁ…はぁ…
なんでこうなるのよ。
私が何したってゆうの?
「殺してやる!殺してやるぞ!待てー!」
そう叫びながら男が追いかけてくる。
なんで私があんな気持ち悪い男に追いかけられなきゃいけないの?
「助けて!ねぇ!助けてよ!誰か!」
「わはははは。逃げろ逃げろヤリマン!お前なんか誰も助けるわけねぇだろ!」
周りで見てる男達が叫んでくる。
そっか。
やっぱり私……生きてちゃいけないんだね。
生まれてきちゃいけないんだ。
誰にも必要ないんだ。
ただの便器だもんね。
私だって、本当は彼氏が欲しかった。
あの子にはヒドいこと言ったと思う。
ごめんね…
はぁ…はぁ…はぁ…
「……きゃあっ!」
車が……
ドガッ!
ぶつかってきて……
……痛い。
……痛いよ。
……これ、血?
……私、死ぬの?
……死にたくない。
……死にたくないよ。
やだ……頭が……真っ白に……なって……
生まれてこなきゃ……良かった。
生まれてきて……ごめんね。
――杉多壱岐パート END
その後、彼女は奇跡的に一命を取り留めたものの、記憶障害、知能障害などの後遺症が残った。
後に病院から忽然と姿を消す。
彼女のその後について知る者はいない。
この事件が学園の生徒達を動かしていった。