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角川学園-School Days-

第17章 新しい家族編~郁の返事~

~郁の回想・2年前~

◇水無月家の前◇

「よいしょっと」

「これで、2階の荷物は全部終わりっす」

「よし、1階担当の班を手伝って来て」

「わかりました」

引っ越し業者達が、水無月家の荷物をトラックに、順番に積んでいく。

「お母さん、もうすぐだね」

「そうね…。」

少し元気なく、返事をするお母さん。

僕が、中学でイジメられたのがきっかけで起きた、お父さんによるイジメっ子とその母親への殺人事件。

当時、学校側へ何度も訴えてもロクな対応しかされず、何も改善されなかった。

きっと、学校側は学校の名誉に傷を付けられるのと、自分達の評価が下がるのが嫌で、隠蔽したかったのだろう。

仲良かった親友2人と、他のクラスメート達も助けてくれず、最悪な状態だった。

イジメの主犯格と、その仲間2人は校内でも近辺でも有名な、札付きの不良達だ。

先生達に告げ口したり、助けたりして自分達も巻き添えを、食らいたくなかったと思う。

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