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角川学園-School Days-

第17章 新しい家族編~郁の返事~

「ねえ、お兄ちゃん…。」

隼が、不安そうな表情で僕の服の裾を掴む。

「殺害された1組の夫婦って、お父さんとお母さんの事じゃないよね…?」

「そんなわけないでしょ
どうせ、違う夫婦だよ」

不安がる隼に言い聞かせるが、内心では僕も隼と同じく不安だった。

もし、殺害された1組の夫婦がお母さんとお父さんだったら…?

まさか、そんな事があるわけ…。

「そうだよね…。
違う夫婦だよね…。」

「きっと、そうだよ」

本当は、こんな事を思ったら駄目かもしれないが、殺害された1組の夫婦が2人じゃない事を、祈らざるおえなかった…。

『なお、殺害された1組の夫婦の身元ですが』

「「……。」」

僕と隼は、ニュースに釘付けだった。

『○○府の○○市に住む、文月渉さんと文月優里さんです』

「ッ……そんな…。」

「お父さん、お母さんッ…。」

僕と隼の願いは、脆くも崩れ去った…。

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