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となりのアイツ AN

第20章 初デート3 まーくん

3-3

「ちょっと風があるけど気持ちいいね」
「うん、暑すぎるよりこっちのほうがいいな」

「でもさ、周り、カップルか家族連ればっか」
「ヤロー二人の俺たちはどう見られてるんだろ?ナンパ小僧かな」

「そうかもねぇ~、それにしてはひたすらゆったりまったりしてるけど」


なんて言ってたら 女子大生らしき二人連れに声をかけられた。

「あの・・・すみません。クイーンズスクエア、ってどっちでしょう?」
「え?あぁ、あっちですよ。ここをこのまま歩いていくと右の方に見えます」

「ありがとうございます・・・あの、もし時間あったら・・・・・・」
「え?」


時間あったらなんだろ?
まさか案内して、とか?
俺たちそっちから歩いてきたから 反対方向になるんだけど・・・・・・

でも道わかんない人には親切にすべき?
まだ新人とは言え、一応俺たち地元の住人だし・・・・・・

どうする?ってかずくんの顔を見たら、
かずくんはちらっと俺を見て小さなため息。

そして極上の笑顔で彼女たちにこう言った。


「ごめんね、俺達ツレがいるから」

「そうですか・・・」


残念そうに去っていく女の子達。



「かずくん、俺たち ツレなんていないじゃん。別に急いでないんだし ちょっとぐらいなら・・・」

「逆ナンのってもいいってか?」
「え?逆ナン?」

「やっぱり気づいてなかったのか」
「え?いや、違うよ、違うでしょ?だって 別に“そこのカレシ、お茶しない?”とか言われてないし」

「いつの時代のセリフだよ、それ・・・あんなのあきらかに逆ナンだろ。ほら、またオトコ狙って声掛けてる・・・」

かずくんが顎で指した方を見ると、確かにさっきの子達が男連れに声をかけてて・・・
意気投合したらしく一緒に歩き始めた。


「あ・・・ホントだ。へぇ・・・あれが噂の逆ナン・・・」
「断っちゃって残念だった?」

「ええっ?まさかー。それは全然!」
「はは・・・よかった」

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