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となりのアイツ AN

第26章 ファーストキス?4 まーくん

4-1

かずくんの口が また重くなった。

話の先がものすごく気になるのに 平静を装っている俺は余裕がなくて ついつい言い方がぶっきらぼうになってしまう。 
ダメだ、こんなふうじゃ ますますかずくんが話しにくくなるってわかってるのに・・・


そう思っているのに、・・・この間まで 顔も忘れていたような男の存在が ぐいぐい俺の中に入ってこようとしてる。

卒業式の日、嫌がるかずくんを無理やり引っ張っていこうとしてたあいつは あの日だけじゃなくて ほかの時にもかずくんのこと自分の部屋に誘ってたのか・・・

それから?
それから?
そこから先が肝心じゃん!

いや、俺の気持ちは変わらないよ、たとえ何があったって。
だけど 何があったのか考えると 胸が締め付けられるようにドキドキする。



「かずくん・・・ほんとに怒ってないから・・・ね?」

やっと柔らかい声で先を促すことが出来た俺に
自分の膝を抱えたかずくんが小さな声でぽつり、と言う。

「俺・・・あいつに・・・キスされた・・・」
「・・・・・・」

やっぱり、と思う気持ちと、その先は・・・?と思う気持ち。

「それから・・・」

それから?
やっぱり「それから」があるの!?

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