となりのアイツ AN
第49章 願い4 かずくん
バカみたいに 何も言えなくなってしまった俺から目を逸らして、もこみちは小さな声で話し続ける。
「信じられないかも知れないけど ホントなんだ。1年の時、同じクラスで・・・出席番号続いてたから 席が前後だっただろ。俺、入学式の時から カズのこと気になってて・・・」
「・・・だってお前・・・」
「ん?」
「お前、まーくんのこと好きなんじゃないの?」
「雅紀?何で?」
「だって・・・昼休みとか・・・バスケ部の練習終わった後とか・・・俺がまーくんと話してるといつもこっち見てたじゃん・・・」
「あれはカズのこと見てたんだけど・・・」
「だって・・・それでよくまーくんに話しかけたり・・・」
「クラス違ってからは いきなりカズに話しかけるのも変かなと思って・・・いつも雅紀に声かけて、そこからカズにも話しかけるようにしてた・・・」
「だって・・・海に行った時だって・・・」
「久しぶりにカズと会ったらなんだか照れくさくて・・・雅紀にカズの近況聞いたりしてたよ・・・雅紀をここまで送って来た時も もしかしてカズに会えないかな、とか期待したんだけど・・・」
「・・・・・・」