となりのアイツ AN
第2章 となりのアイツ2 まーくん
2-2
「ちわ~っす」
夜10時。
2階のかずくんの部屋の窓を いきなりガラガラ開けて入る。
「うわっ、何だよお前。ノックぐらいしろ!てか窓から入ってくんなよ」
「だってバルコニー1mぐらいしか離れてないんだもん、何今更。昔はかずくんだってしょっちゅう窓から入ってきてたのに…。そう言えば最近俺んち来なくなったねー、なんかあったの?俺、なんか怒らせてる?」
俺 とかずくんちの間は3mぐらいの距離なんだけど
バルコニーがお互い張り出してる分、手すりから手すりは1mぐらいしか離れてない。
お互いの部屋の窓は両方 南向きだから部屋の中はバルコニーから身を乗り出して覗き込んでやっと半分見える感じだけど 部屋にいるかどうかぐらいは気配でわかる。
「別に…忙しいだけ」
「そっか、今も勉強してたの?すごいなー」
「普通だろ、お前もやれよ受験勉強。…ああ、お前はバスケで行けるの?」
「無理無理。うちの学校都代表にもなれないんだもん。インターハイや国体に出れるレベルじゃないとね」
「じゃあAO?」
「どうかな…俺バスケ続けるかどうかわかんないんだ。
趣味でやってくならいいけど部活入ってがっつり、は無理かな」
「何でだよ、お前上手いじゃん」
「ふふっ…試合なんか見に来てくれたことないくせに…。でもありがと。
だけどやっぱりガタイが違いすぎるんだよねー…。190とかザラだもん。筋肉もすごいんだよー。もう見るからに差がありすぎて俺なんか吹っ飛ばされちゃって全然敵わないんだ」
「そっか…お前力ある割に筋肉つかないもんね」