
催眠術 SO & AN
第30章 催眠術なんて信じてないけど7 潤
7-1
もともと緊張しぃの俺だけど
心臓のドキドキが頭にがんがん響いて
自分が何を言ってるのかわからない
腕の中に包み込んだ大野さんの体温が
温かくて
愛しくて
もっとぎゅっと抱きたいのに
力を入れたら壊れそうな気がして
ふわりと腕をまわすことしか出来ない俺
喉がカラカラだけど
今なら言える
ううん、今じゃなくちゃ言えないんだ、
と思ったら 瞬時に心が決まった
ずっと前から 見つめてたこと
ずっと前から 好きだったこと
泣きたい程の想いを
今 伝えなくちゃ
