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POISON TEACHER

第24章 真夜中は人の心を邪悪に掻き立たせる

『お願いがあるのよ………』


『何だ?』



『筑波千恵って子がいるんだけど、
あの子、家庭が結構複雑でね
母親を幼いときに亡くして、
父親と二人で暮らしてたの。

………でも、

あの子が高校に上がったときは
父親の所属してた会社が倒産をして
新しい就職先を探そうとしたけど
結局見つからなくって、
ニートの状態になって、
あの子が生活を支えざるを得なくなったの、』

あゆみ、タカシ、麗奈、拓真とは
一年生の時に何らかの縁があったらしい。

溝坂はその子のことは
どっかで聞いたことはあるが
知っているわけではなかった。


溝坂はあゆみに質問をする。


『そいつって、四組にいたのか?』



『うん。出席簿には
四組の生徒として扱われているけど
二年生になったときから
全く出席してないもの………

私立だからお金もろくに払えず、
生活費に回すことで精一杯なのよ!!』



『奨学金制度を利用しても
ダメなのか…………、』



あゆみ『頭もあまりよくないから、
条件が難しいわ、』



『そっかぁ、
んじゃあっ!!

どうせなら退学でも何でも
すりゃいいんじゃないの?』



溝坂の不謹慎な発言に呆れ、
開いた口が塞がらずにいた。



『もし会ったら、
ちゃんと伝えてやっからよぉ!!』



そう言いながら、
溝坂は仕事場へと向かっていった。

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