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「愛撫だけでいいの。セックスはしなくて
いい。これ以上は譲れない」

未だ背を向けている俺は
李奈の表情を窺えない。

口調だけで判断すると
俺をからかっているようには思えない。

真剣な口調だった。

愛撫だけと言われても
俺はセックスより愛撫に重点を置く
愛し方を心掛けている。

好きな女の身体を充分に愛してからの
延長線上にセックスが存在する。

俺にとって重要である愛撫を
意図も簡単に李奈にしていいわけがない。

でも……拒否してしまったら
俺と瑞穂は……終わってしまう。