
Perfect Romance
第10章 Happiness
恥ずかしさを隠す為に俯いてたら、いつの間にか眠ってしまったらしい
「かず、次で降りるよ」
優しく肩を揺らされて、ゆっくりと閉じていた瞼を開けた
割と乗っていた乗客は殆どいなくて
車両には、俺達と2~3人だけ
どこまで来たんだろうと、外に目を向けるけど
初めての景色で全くどこだか分からない
「相葉さん…ここ、どこ?」
「神奈川」
ちょうど聞こえた車内アナウンスの駅名は、聞いた事があった
確か、七夕の有名なところ
毎年ニュースで聞く地名だった気がする
ずっと繋いでいた為に少し汗ばんだ手を離す
手のひらを冷たい空気が触れて、ちょっと寂しさを感じた
電車を降りてからは、さすがに手を繋いで歩くわけには行かないから
付かず離れずの距離で並んで歩く
「レンタカー、借りるからね」
駅を出て、バスにでも乗るのかと思ったら
相葉さんがにっこりと笑った
「え?」
「ちょっと不便な場所だから」
「…なら最初から車で良かったじゃん」
それならずっと、手を繋いでいられたのに
