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Perfect Romance

第20章 秘密?の社員旅行



支えてなきゃ、歩くのも覚束ないのが見てられなくて
大して抵抗しないのを良い事に、かずをおんぶした

本当はお姫さま抱っこしたいけど
…さすがにね、誰に見られるか分からないし

住んでいるんだから変な噂は流されたら困るしね

かずも、口では"降ろせ"と言うくせに俺に体を預けてるから

何も話さないまま、俺の部屋に連れて帰った




ソファーにそっと降ろして、脱力しているかずを支えるように隣に座る

酔ってるのもあるけど、…それだけじゃないよね


「かず……」
「…何で?」

虚ろな瞳のまま、かずがポツリと言った

「何で黙ってたの?」
「それは…」

「面白かった?」
「え?」

相変わらず、かずはこっちを見ない

だけど

「俺が怒るの、面白かった?

…取り乱すの、愉快だった?」

虚ろな瞳から、涙が零れ落ちた

はらはらと玉を造るそれを、場違いにも綺麗だと思ってしまった


「かず、ごめん」

ギュッとその体を抱き締めるけど
かずは何の反応も示そうとしない

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