
Perfect Romance
第5章 一歩前へ
朝から一緒にいられるのは
これが初めて
…それだけでワクワクして
土曜日がもう待ち遠しくて仕方ない
「雅紀、キモイ」
気がつくと仕事中でも思い出しちゃうから
土曜日が来るまでの間
大ちゃんからは何回もどつかれた
もちろん大ちゃんは理由を知ってるから
そう言いながらも
俺を応援してくれている
「明日、楽しんでこいよ!二宮くんによろしく言っといてね」
金曜日の仕事終わり
大ちゃんは俺の背中を思いきり叩いて先に帰って行った
「ありがと!」
ちょっと大きな声で答えると
大ちゃんが背中を向けたまま、俺に手を振る
「…俺も帰ろ」
誰に言うでもなく、1人呟いてから
デスクの荷物を乱雑に押し込むと
「お先でーす!」
フロアに響くくらいに挨拶して
エレベーターに乗り込んだ
明日はにのとずっと一緒
嬉しすぎて死んじゃいそう!
…いや、死んじゃダメだから
あ、車…洗車して室内掃除もしなきゃ
にの、お菓子食べるかな?
飲み物は何がいいかな?
…BGMは何がいいかな?
…ダメだ。ワクワクが止まらない
帰り道も、家に着いても
考えることはそれしかなかった
