
Perfect Romance
第6章 言えないキモチ
「…にの」
ちょっと俺の声が固くなった
…やっぱり緊張するからかな
『なに…?』
にのも、少し声色が変わった気がする
「さっきの……覚えてる、よね」
『……うん』
俺は一回だけ、深呼吸をした
「あのね」
『…ん?』
「お願いだから、もう一度だけ聞かせて」
…にのが無言になってしまった
でも今は引かない
そりゃ、まだ二人とも酒は残ってるけど
だからこそ、今しかない
「にの、聞かせて…聞きたい…」
完全に懇願だった
間違いなく、今の俺は情けない顔してる
『……っ』
にのが、息を飲んだのが伝わった
『……好き、だよ』
「にの……」
『好きだよ!…好きだってば!ばか!』
にのらしい、照れ隠しの怒ったような、やけになったような口調が可愛い
嬉しすぎて、どんどん欲張りになりそう
もっともっとにのを知りたい
もっともっとにのと一緒にいたい
「ありがと、にの」
『もう、言わないからね!!』
そんな言葉も、もう天使の囁きにしか聞こえないよ
