
Dioic
第3章 異変
あの事があってから、ぼくに変化が起きた。
夢をよく見るようになった。
内容はほとんど現実と変わらないようなことばかりだったが、時々破茶滅茶な夢らしい夢を見ることもあった。
共通していえるのは、まずすべてデジャブになっていること。
大体2日前に見る。
その日の天気、朝食、風の匂い、先生の言葉、教室の話題、ニュースで見た事故、誰かの言葉小さなこともあれば大きなこともあった。
そして、全ての場面に良平がいること。
良平がいる場にだけデジャブを見る。
デジャブの内、良平がいる場面なだけな夢は4割、良平に起こる事の夢6割。
なぜ、良平のデジャブを見るんだろう。
薬指の時も、馬の時も、良平が怪我する夢だった。
他には良平が先生に注意される、筆箱を落とす、寝坊する、昼食を落とす、財布を忘れる、課題を忘れる。
良平のことばかり。
というか、良平ってこんなに抜けているような性格だったか?
違う。
ぼくの知っている良平は頼り甲斐があってみんなの人気者。
成績優秀、才色兼備な人だ。
ぼくがこんな夢を見るようになってから良平は少し変わった。
そんな良平が心配で予言しようとメモなんかに書いて忘れないようにしてみたけど、夢で見るそれは、ほとんど偶然のように防げない物が多い。
たまに回避できる時もあるが、良平はまったく気づかないし危機感がない。
そんなことは当然だが。
