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キラキラ

第36章 バースト10


「まぁ…当たり前の展開だな」


ブルーグレーのお気に入りのトレーナーに腕を通しながら、智兄が、しょうがないな、というように笑った。


「…潤の性格考えたら、こうなることわかるだろ」


その言葉に、ほんの少しの非難を感じ取った俺は、智兄をチラリとみた。

さっきまで屍状態だったくせに、その瞳は覚醒してて、長男の風格が戻ってる。
なのに、もしゃもしゃの頭が、あんた何歳だよ?みたいな、雰囲気を醸し出してて、思わず苦笑う。

まぁ、言ってることはごもっとも。


「……わかるけど」


なんだか、完全に分が悪いぞ。

腕の中で眠るあいつが、スーパー可愛くて、我慢できなかった、なんて言ったら、今度こそ、この場にいる全員に、鼻で笑われそうで、俺は黙った。

松岡さんが、そんな俺に助け船をだす。

「翔、携帯もっていけよ。俺ら、宿の女将にきいた初日の出のスポットに行ってるから。潤が落ち着いたら、合流しよう」

「はい…」


俺は頷いた。


…いや、でも、そもそもが、あんたらのせいなんだけどね?!
あんたらがこんなとこで、エッチなんかしだすから、俺らが出ていかないといけなくて、結果、潤が疲れてしまったんだからね?!

言いたくても言えなくて、心でつっこんだら、かずが困ったように肩をすくめた。

視線で、俺の心読んだのか?、と聞いたら、


…心の声がでっかすぎて、聞こえちゃうの!


と、かずのテレパスが頭に響いた。

テレパスで怒鳴られたのは初めてだ。

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