キラキラ
第39章 バースト12
駅への道を足早に歩きながら、
「聞きたいことってなんですか?」
仕方なく一応聞いてやる。
カホは、パンプスをカツカツ鳴らしながら小走りでついてくる。
「待って、待って。早いです」
うるせーな。
このあと、潤に会いに行こうか、と考えを巡らしていたのに、台無しだ。
俺は、仏頂面でぶった切った。
「……すみません、急いでるんで」
話は今度、と言って振り返った瞬間、
「きゃっ」
「…………っ」
足を捻ったらしいカホが、その場で転びかけた。
咄嗟に念動力のチカラをとばしかけたが、いや、それはまずいと、瞬時に切り替えて、あわてて手を伸ばす。
カホの小さい体が俺の胸の中に転がり込んできた。
柔らかな女性らしい体と、潤とはちがう匂いに、ぎくりとする。
あまり、密着されないように、腕で支えた。
「あっ……ごめんなさい」
「………いえ。大丈夫ですか」
「はい…」
言って、体を離したカホは、あ、いたっ、と顔を歪めて、再び俺にしがみついてきた。
…………おい。
「足……痛い」
……………おいおい。
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