キラキラ
第39章 バースト12
帰宅後、風呂からあがって、キッチンで水を飲んでいると、ただいまー、と遠くから声がした。
かずだ。
相葉くんと夕飯を食べて帰ってくると言ってたから、少し遅めの帰宅だな。
「おかえり」
とことことリビングに入ってきたかずに声をかけると、かずは無言で俺を見つめてきた。
その冷たい視線に、面食らう。
…………?
かずにこんな目でみられることなんて……
「なに?」
「翔さん。今日なにしてた?」
「…………」
……見られてたのか。
合点がいき、俺はため息をつく。
かずは厳しい口調で畳み掛けてくる。
「女の人といなかった?」
「………同じ塾の講師だよ」
「腕組んでたでしょ」
「無理矢理組まれたんだ。すぐ振り払っただろ」
「………信じられない」
「何がだよ」
「そんな隙をみせちゃ駄目じゃん……っていうか、そもそもそんな人と二人でいたら駄目じゃん!」
いつも穏やかなかずが怒ってる。
俺は返す言葉もなくて、黙った。
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