キラキラ
第39章 バースト12
「…………潤」
翔の指が遠慮がちに俺の髪にふれる。
俺は、顔を上げ翔の目をじっと見た。
大きなドングリのような瞳は、戸惑いの色を帯びて、いつもの半分の力しかない。
自分に非があるって、ちゃんと分かってる目だなって感じる。
それが例え、自分が意図した結果ではないことであったとしても。
「ちゃんと話したい。俺の部屋に跳んでほしい」
「…………」
「頼む」
「…………」
「…………頼む」
「………………わかった」
このまま俺の部屋で話をしてるうちにヒートアップしてきたら、下の部屋から母さんがとんできそうだ。
少し考えて俺が頷くと、翔がほっと胸を撫で下ろした。
「ありがとう」
「……………うん」
鼻をすすり、うつむくと翔が静かに俺の手をとった。
温かな手のひらを感じながら、俺は、座ったまま軽く目を閉じてチカラを集中させた。
パチリと目を開けると、翔のベッドに座っていた。
その安心する香りに、ふっと気を緩めた瞬間
「……潤」
翔が俺の名を呼びながら力強く抱きしめてきた。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える