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影に抱かれて

第8章 心のままに

パーティーから逃げ出したことで、上級生たちに何か言われるのではないかと思っていた二人だったが……何も言われなかったことには驚いた。

あの少女たちのことは周知の事実であり、逃げ出した二人はただの腰抜けか同性愛者なのだろうという扱いなのだ。

敬虔なカトリック信者ばかりかと思っていた学園の腐敗した現状には呆れたが……罪深さは自分も変わらない。

ジュールへの、肉欲も伴う気持ちにはっきり気付いたリュヌは、その気持ちが抑えられないのなら、せめて自慰だけはもう二度としないようにしようと心に誓っていた。

それにしても、なぜジュールは幼い自分にあんなことをしたのだろう?

訊いてみたいことがいっぱいある。

そう言う自分の気持ちは?
自分は……ジュールを愛している。
心から……

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