泣き虫ルームメイト AM & 遠回りのルームメイト SN
第30章 遠回りのルームメイト12 ニノ
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その後 スッと冷静になって、俺は黙って 床に散らばった服を手に取った
ぜんぶ抱えて、自分のベッドに向かう
脚に力が入らない
けどしっかり歩かなくちゃ
まっすぐ歩けよ、俺の脚
ベッドまでの数歩の距離が 途方もなく長く感じる
やっとたどり着いた時には もう心も身体も限界で
俺は そのまま柔らかい毛布の中に入り込んで、現実世界から逃避するように 意識を手放した
俺が目を閉じてすぐ、翔が部屋から出て行ったことには 気づく余裕もなかった