泣き虫ルームメイト AM & 遠回りのルームメイト SN
第32章 遠回りのルームメイト14 ニノ
入学前、寮の4人部屋に足を踏み入れ、翔を見た瞬間から、胸の中を掴まれたように息苦しくなり、俺はろくに言葉を発することも出来なくなって、
翌日、斗真が来るまでは 二人きりで やや気詰まりな時間を過ごした
最初は、見かけが怖かった、っていうか雰囲気に呑まれたせいだと思ったんだ
地元の中学はごく普通の公立で、翔みたいな 金髪にピアスしてる奴なんていなかったから。
翔には、確かにカリスマ性みたいな、選ばれた人種特有のオーラみたいなのもあったし
仲良くなってからも、俺はずっと翔から目が離せなかった
でもそれは俺だけじゃなくて、周りのみんなも翔を特別視するのが当然、みたいな空気があったから
俺は 自分の中に翔に惹かれる気持ちがあることは認めながらも、それを恋愛感情かも知れない だなんて思ったことは無かったんだ