テキストサイズ

泣き虫ルームメイト AM & 遠回りのルームメイト SN

第79章 泣き虫ルームメイト55 まー



「俺は自分では描かないけど 見るのは好きだからね。正直、智の才能はすごいと思う。で、すぐ知り合いの画商に見せたらソイツも驚いてね、もっと本格的に描くべきだ、って。
それに智は客とトラブルが多くてね。早々にうちでのバイトはやめさせて、暫くの間は 俺の家に住まわせてたんだ。」
「トラブル?それって、喧嘩とか、ですか?」

「いや・・・その頃の智は今よりもっと華奢で、ちょっと中性的だったからね
色んな客から声を掛けられて・・・どこかの社長だと言う男に部屋に呼びつけられて、襲われそうになった時には、もうここでは働かせられないな、と思ったんだ。それで、智の義理のお兄さん、つまり校長先生を頼ってここに置いてもらうことにしたんだよ」
「えー、・・・」

「絵を描くことは勿論好きだから、時々イラストの仕事もしてるし、ここに来てからは大きな絵も 自分のペースでは描いてるらしい。描けたものは、大抵その画商に渡してるらしいけど とにかく寡作だ、っていつも画商が嘆いてるよ。」
「へーえ・・・そんなにすごいんだ・・・今度何か描いてもらおうかな」

「ははは・・・うん、そのうちに大化けしてものすごい値がつくようになるかも知れないよ。・・・ちょっと喋りすぎたかな、お喋りって智に怒られそうだ」
「あはは・・・」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ