ビタミン剤
第20章 ウブじゃないアナタ
「ねぇ、なにが欲しい?」
「うーん、翼かな?」
この世では手に入れられないもので欲しいものを
一つだけ選んでみて
そんな質問をしてみた。
しばらく考えたあと、翔くんからの答えは
不動の名声や永遠の若さ、巨万の富とか
欲にまみれたものじゃなかった。
大きな眸をくるくるさせながら愉しげに
無垢なまなざしでじっと見つめてくる。
「そっか、旅好きな翔くんらしいね。」
「うふふ、じゃあ潤の欲しいものはなあに?」
「んーなんだろう、どうしよっかなぁ」
かんがえるフリをしながらゆっくりと立ち上がって冷めたコーヒーを手にしてる翔くんの
背後から抱きついてみた。
アナタの願いを叶えるチカラがあれば…
どんな望みだって願いだって
俺のこの手で叶えてあげたいのに
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