
ビタミン剤
第37章 サンクチュアリィ
バンビにはムリムリっ
ぜってぇー出来ねぇって!
はああ?出来るしよっ
おまえみたいなひょろっこい奴には
ムリムリ!
途中でへたり込んで終わりだってっ!
うるせえ、ぶっさん来いよ
俺ぜってぇーやってやから
おい、無茶すんなよ!
ムキになったフリしてた
話に乗ったフリして強引にあの人を
背中に背負ってあの赤い橋を渡ったんだ。
おい、翔っもういいって
後に引けないなら俺も一緒に謝って…
違う…俺…酔ってねぇよ
貴方が好きだから…前にも言ったよね
准一くんは笑って冗談にして、
相手にしてもらえなかったけど
俺は本気だよ?
本気で岡田くんのことが好きだから
だから、つくり話の伝説でもやりたいんだ
おまえ…
絶対やり遂げるから。
岡田くんが好き、だから渡りたい。
一直線過ぎた恋心
相手を困らせるなんて分かってなくて
ただ想いをぶつけることが誠意なんだと勘違いして
思い込んでた。
あの頃の幼稚で無知だった俺。
