
ビタミン剤
第39章 ノクチルカ
両手を壁について寄りかかってないと立ってられない。
鍵の掛かった扉の向こうは共有スペースの廊下
居住者や、荷物の配達人
誰が通るかもわからない昼日中の時間帯。
はやくこの非日常を終わらせようと
ねだるように腰を揺らして深く屈むように
尻を突きだして潤の指を増やしてと哀願した。
「ゴムとローション取って来なきゃ。
すこしだけ待っててくれる?」
「ぇ…ぁう…むりぃ…待てなぁ…ああっ
ゴム要らない…も、潤の…舐めさせて」
跪いて目の前に差し出してくる天を仰ぐ潤の雄への奉仕。
たっぷりの唾液で滑らせて咥えたまま
潤を見上げてもう充分に湿らせてることを伝えた。
片足を抱え上げられて壁に押し付けられながら
潤の滾りを解されて熱を帯びてる後孔にゆっくり
埋め込まれていく。
「ああ…ぁん……んんっ、ぁうっああ!」
「またっ、シィィィッ声でかいよっ!」
「だぁ…てぇ…ふぅ…ぁん…」
ほんとなら今頃、
軽快に車を走らせて高速の入り口付近だった筈。
予約してたいつもの美容院
後輩のコンサートが始まる前、かなり余裕で楽屋を激励訪問して途中で買った差し入れの果物とスイーツをさり気なく手渡してから
スタッフに案内されて会場の席へと向かう予定だった。
立てていた計画が大幅に狂いはじめてる
潤の身体に縋り付きながら
計画の修正を試みるよりも最奥まで潤の昂まりを
導くことへと意識が集中し始めていた。
