ビタミン剤
第41章 aventureはディナーの前に
「…まさ…きぃ…」
「翔、もう眠ってもいいよ。
あのね貴族の仕事は女性を悦ばせることだけど
相葉雅紀の生涯かけてやる仕事はね、櫻井翔を愛し続けるってことだよ。
翔…愛してるよ。………おやすみ…」
鼓膜に愛のささやきを添えて眠りへと誘ってくれる。
……おやすみ、まさき…
こめかみに触れる雅紀の柔らかなくちびる
手放していく意識の中で
目覚めた時、2人でティータイムを楽しみたい
なって考えながら雅紀のぬくもりに包まれて
おだやかな眠りについた。
夢の中
俺は黒塗のスーツに蝶ネクタイの衣装
銀縁眼鏡をかけたあの衣装に身を包んでる。
重厚な造りのソファーにゆったりと身体を預けて
座る雅紀も豪華なあの貴族の装い。
温めたティーポットの中身はネットで海外から
お取り寄せした甜茶の茶葉
おめでたい時に飲む甘い味わいのお茶を
御前様のカップへ注いでうやうやしく差しだす
受けると同時に香りを楽しみ優雅にカップに
くちづけてから、ゆっくりと味わって
湯気のあがるカップをテーブルへと置く。
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