星に見ている
第15章 過去からの誘惑
しかし、気まずいーーーー…
「ーーーーで、話とは何ですか?」
俺は、余談もそこそこに、話を切り出したーーーー…
「…そう、急かすなーーーー…ここで、話す内容じゃないから…」
「ーーー…!、」
保さんの手には、ホテルの部屋の鍵が見えた…
「ーーーー…保さん?」
「勘違いするな…コンクールの選考の件だから公には出来ない事ぐらい…察してくれ」
俺は、保さんの今のポジションを知らない訳ではない…
俺と別れてーーーー…保さんは、結婚した…
相手は、某美術館の館長の娘さん……
トントン拍子に、保さんは美術関係のトップの仲間入りをはたしたーーー…
今となっては、俺のような若手画家とは、何の接点もない…
雲の上の人だ……