テキストサイズ

えっちの経験値

第17章 一之瀬蓮の事情⑥

「どうして美穂のSOSに気付いてくれ
なかったんですか?」
「ですから、全く心当たりがありません」
「あなたと別れてすぐの豪雨の日です。
雨の中、あなたの帰りを待っていて……」
「あ……」

笹野にはどうやら心当たりがあったようだ。

そして周囲はざわついた。

「ここを離れて準備運動をしなさい」

生徒たちは事の成り行きを気に掛けながらも
渋々この場を退いた……翔太を除いては。

「先生……俺もここに居ていい?」
「そうだな」

翔太にはこの話の行く末を
知る権利がある。

俺は両方の『さくら』が心配である。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ