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えっちの経験値

第56章 若松百合の事情③

贅沢な暮らしは送れなくても
美味しいものをたくさん食べさせたい。

お腹が満たされれば
心も満たされるはず。

そんな二人を目にした私も
心は充分に満たされる。

区役所の前で初出勤の孝之を
手を振りながら見送る。

孝之もそんな私に応えるよう
大きく両手を振る。

平凡な幸せを取り戻した。

これだけで充分だった。

満たされている。

心だけは。

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