Kissからはじめよう SO & AN
第38章 楽園11 和也
止めようとするまーくんの腕を振り払って外に出る
バタン
ゆっくりと閉まる玄関ドアを 背中で押してそのまま凭れると、
ドアが閉まるのと同時に 涙がぶわっと溢れ出る
まーくんにそんな風に思われてるってことがショックで、悲しくて、悔しくて
中にいるまーくんに聞こえないように、頬を流れ落ちる涙を無言で拭う
その時の俺は、どうしてまーくんがそう思ったのか、
そう思うには 何か理由があるはずだ、ということにまで頭が回らなかった
そんな余裕もなく、ただただ打ちのめされて、まーくんのマンションを後にしたんだ