Kissからはじめよう SO & AN
第8章 コイゴコロ8 智
8-2
今まで俺はいつも「悩みなさそう」「飄々としてる」なんて言われて来た
自分でもあまり物事にこだわらない、というかなるようになれ、ぐらいで生きてきたような気もする
自分でちゃんと選んだのはパン屋になる、ということぐらいだ
だけど今、俺はしょーくんのことをもっと知りたいと思う
これきりにしたくないと思う
友達になりたい、・・・いや、俺がなりたいのはほんとに「友達」なのかな
うだうだ悩んでる間に沈黙の時間が流れ、しょーくんが「それじゃ」と言いながら腰を浮かせる
「ごちそうさまでした、とっても美味しかった・・・」
「どういたしまして・・・あの、よかったらまたいつでも・・・パン、好きだったら・・・」
こんなふうに誘うのはおかしいかな
でもそう言わないと 何だかこれきりになりそうな気がして、思わず声をかけていた