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きみがすき

第38章 *だいすき*

*相葉*




壁掛け時計を見上げれば
もう…時刻は深夜も深夜。

後数時間もすれば、朝になってしまう。



『サギだ!』の後

『相葉ちゃんのバーカ!』

とそんな台詞を放った本人は、
ぱしっ!と俺の手を振り払い

はぁぁぁ…と大きな息を吐いて
さっきまで座っていた椅子に、脱力するかのように腰を下ろした。




あれ?
俺、なんかやっちゃった?


大ちゃんは、1度俺の方を見て ふん!と顔を反らして頬杖を付いた。

その口は、横からでもわかる唇がちょっと出た への字で




なにそれ……



ちょーかわいい!!




あ…
じゃなくて。



また、水槽をツンツンしだした大ちゃん。
なんならきっと見えない片方の頬っぺたは、ぷくっ。と膨らんでんじゃないかなって思うくらい、ぶすっとしている。



えっと…なんで怒っちゃったんだう?
さっきのはちゃんと謝ったしな…

俺は考える。
そしてこれまでのやり取りを振り返ってみた。



.

それは
お客さんが一旦落ち着く時間帯。

松潤に呼ばれてフロアに出てみれば、松潤の後ろに隠れるようにいたのは大ちゃん。
なんで?って思ったのは一瞬。

大ちゃんは、頭から靴先まで濡れてて…顔色も悪くて震えてて、早く暖めなきゃって。

そう思って休憩室に連れてったのに…
大ちゃんの口から出たのは「松潤に会いにきた。」「着替えなんていいから松潤と話をさせて」って。

どうして松潤?って…面白くなくて
だから俺は、風邪引くよ!って理由つけてシャツを脱がした。

したら松潤に抱きつくし、体見られるし!

大ちゃんにはさ、もうちょっと…こう…なんていうか自覚をさ?もってもらわないと困るよね。自分がどんだけ格好良くて可愛いかわかってないんだ。


あ、で…

その後、邪魔!って怒られて…そりゃ凹んだけど…でもそれはニノの為だったんだってわかって、あぁだからかって思ったし反省した。




二ノ。大丈夫かな
何かあったのはあったんだろうけど…
でも、潤が行けば大丈夫。
ニノも…大ちゃんみたく雨で濡れちゃったのかな。結構、体弱いところあるから心配。

潤。ちゃんと暖めてあげてね。

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